いつの間にか能を愛しすぎた7人の軌跡
第一幕 託されたミッション
能ってなんだ?
4月都内某所、浅下・石崎・浦上・小峯・坂田・三宅・村上の失敗を恐れず思い立ったら即行動の7人に、あるミッションが託された。それは「能をマーケティングせよ」というミッションだ。与えられた瞬間、7人の表情は固まった。…能ってなに⁇そう、私たちは能と聞いてすぐには思い浮かばなかったのである。
そこで、即行動が持ち味の私たちは国立能楽堂にて5月26日に早速、能と狂言を観劇。また、6月8日にも同所にて能を観劇した。
少ない若者!
2度の観劇から、私たち自身が気付いたことは主に3点ある。
1点目は若者が少ないことである。お客さんのうち学生は、私たちと社会科見学かなにかで来ていた十数人の学生さんくらいだった。
楽しみ方が異なる能と狂言!
2点目は能と狂言の楽しみ方の違いである。能は、物語よりも人に魅力があるように感じた。そして、衣装は派手で華やかさがあるが、それとは逆で能面で全く顔を見せないというシュールさも兼ね揃えていた。それに対して狂言は、身近で想像しやすい内容のため人よりも物語に魅力があるように感じた。また、小道具も多く使用していた。
重要な現代語訳!
3点目は解説の有無である。座席の前に小さなモニターが設置されている。そこには現代語訳などを映すことが可能なのだが、それが能の際は現代語訳が表示されず、狂言の時は表示された。現代語訳の有無によって私たちの理解度も大きく変化した。現代語訳は表示するべきと7人の意見が一致するほどだ。
上田貴弘さんにもインタビュー
また、6月8日は公演後に主役の上田貴弘さんにインタビューさせていただいた。リハーサルは2日前か前日に1回するのみ、笛を演奏する家系に産まれたら他の楽器ではなくずっと笛を演奏することなどの驚きの事実を教えていただいた。また、外やホールでする能は分かりやすいものを選択するという工夫も知ることができた。そして、能の演者さんは個人営業ということも衝撃の事実だった。インタビューの最後に、上田さんに能を観劇する世代の幅を広げたいですかと伺うと、若い世代はもっと自国の文化をよく知って他国と比べて欲しいとおっしゃった。
能愛指数 30%
計2回の観劇とインタビューで相当な情報を入手した私たちは、こうしてミッションクリアに向けて前進したのである。
このと、能を愛するメーターは「観劇」により30%となった。